引き出しの巻
世間はGWやら10連休やら騒いでいるが弊学は5連休しかくれないので、きっとGWというのはどこか遠い国のおとぎ話なのだろう。
10連休くれるくらいなら2ヶ月に1回くらいのペースで4連休がほしいな。
別にあったところでなにもしないけど。
きっとGWも気づいたら終わってるんだ。
そう、それはまるで夢のように。
あたまの中には引き出しがたくさんあって、
その中には大切なものが入っている。
小学生当時最強だったHP200のリザードンのポケモンカードも、
マリオカートのやりすぎで十字ボタンとLRボタンが壊れて動かなくなったDSLiteも、
ずっと使っていた卓球のラケットも、
書道コンクールで入賞した時の賞状も、
道端で拾ったビー玉も、
好きなアーティストのCDも、
全部そこに詰まっていて、
そういった大切なものを思い出しては、
あたまのなかの引き出しからひとつずつ取り出して、
少し眺めて、
少し磨いて、
少しほこりを払って、
またその引き出しにしまうのだ。
その隣にはまた別の少し大きな引き出しがひとつだけあって、
その引き出しには鍵が内側からかかっている。
果たして鍵がかかっているのは本当に内側なのか、
それとも僕が内側にいるのか、
それは定かではない。
僕が内側だと思っているその引き出しの中になにが入っているかは想像できないけれど、
たまに内側から、
僕の名を呼ぶ声がする。
そういう時に限ってなぜか鍵は勝手に開いていて、
ちょっと中をのぞき込むと、
そこにはその時1番大切な人がいる。
気がつくと引き出しは閉まっていて、
大切な人もいなくなっていて、
鍵もいつの間にか閉まっている。
僕はそれをこじ開けようと躍起になるのだが、
引き出しはびくともしない。
押しても引いても揺らしても、
僕の手で鍵を開けることはできなくて、
僕は定期的にその引き出しの前をうろちょろして、
今か今かと鍵が開くのを待っている。
頻繁に開く時もあるし、
開きっぱなしの時もあるし、
ずっと開かない時もある。
だけど開かない期間が長すぎると、
僕はその引き出しのことをすっかり忘れてしまっている。
そしてしばらくしてふと気がつくと、
そこの鍵が開いていて、
中を覗くと、
また別の人がいるのだ。
今開いているこの鍵も、
今そこにいるその人も、
いつまで続くかわからない。
別れの時はいきなりやってくる。
そう、それはまるで夢のように。