独り言

本当に独り言です

スマホの巻

今日は珍しく早く家に帰ってこれたのに、

気がついたらもうこんな時間だ。

やらなきゃいけない課題もあったし、

読みたい本もあったのに、

ふと見上げると、

時計の針が1本しかない。

おかしいな。

とりあえず風呂に入ろう。

 

窓から吹き込む強い風は、

きっと分厚い雲を連れてくるのだろう。

天気予報は、

曇、雨、雨、雨、雨、雨、曇、雨。

軽い夏バテになった身には、

ちょうどいい休憩タイムなのかも。

いきなり暑くなると体に応えるね。

 

マクドナルドで売っている150円のポテトのLサイズをテイクアウトして歩きながら食べることを楽しみに生きているみたいなところがある。

代わり映えのない食生活のアクセントになっていた、

無駄にジャンクな味。

思ったよりふにゃふにゃのポテト。

想像よりかかっている塩。

マックの塩ってちょっと粒デカめじゃない?

気のせいかな?

気づいたらあれも明後日で終わりなんだよな。

来週は何を生きがいにしようかしら。

 

寂しいのだ。

平均以上の生活をするために、

平均以下の生活を続けなければいけないこの人生という1本の道に寄り添うように咲く花が1輪もないのだ。

本当は咲いている花に気づいていない僕がいけないのだが、

きっと当の僕自身は、

スマートフォンという名の5インチ程度の黒い液晶画面に夢中で、

足元に咲く鮮やかな花を踏みつぶして歩いているに違いない。

この道に彩を添えてくれる花をそのスマートフォンとやらで調べながら、

足元も見ずにフラフラと歩いているのだ。

なんともったいないことをしているんだろう。

 

画面に映る花を見るだけで満足しているようなところは実際あるのだろう。

なぜならどんなに道が閑散としていても、

画面を覗けばいつでもそこに花はあるのだから。

いちいちその殺伐とした現実を直視しなくても、

たった5インチの手乗り型液晶ディスプレイは、

いつでも夢を見せてくれるのだ。

こんな便利なことがあるか。

 

夢の中では、

探せば探した分だけ、

たくさんの花を見つけることが出来る。

別に花屋に行かなくてもいいのだ。

ホームセンターに行かなくてもいいのだ。

無言で暗闇をなぞるだけで、

目の前に広がる一面の花畑。

そこで一際輝く大輪の花。

 

ふと立ち止まって足元に目をやると、

名も知らない1匹の虫の死骸。

これが僕だ。