独り言

本当に独り言です

水槽の巻

まさかコメントで励ましてくださる方がいるとは思わなかった。

見ず知らずの人によくそこまでできるなぁと感心しつつ、

ありがたくお言葉を頂いておきます。

確かにこうして悩んだり考えている自分は昔の自分とは変化しているのかもしれない。

だけど僕の世界には0か100しかなくて、

こういう変化を100として認識できるような人間じゃないの。

ごめんなさいね。

 

人が嫌がることをしてしまった。

本人からあれほどそう言われるのは嫌だと聞いていたのに。

蟠りを抱えた帰り道。

深夜にひとり街灯の下で、

心臓が早くなって、

息が苦しくて、

空を見上げても月はなくて、

弱い雨が降って、

静かな街を歩いていた。

誰かとこの思いを早く共有したくて、

咄嗟にすがった藁を、

間違えて自ら切ってしまった。

 

これ程自分の弱さを悔いたことがあるだろうか。

きっとずっと前から、

自分の弱さのせいで、

誰かを傷つけるような我儘な人間だったのだろう。

なんでも自分の思い通りにいくと思ったその驕りが、

自分のこめかみに向けられた銃口とも知らずに。

 

水槽でありたかった。

別に魚じゃなくてもいい、

その人の好きな物を入れて飾る水槽でありたかった。

部屋の中では割と大きなインテリアで、

毎日眺められる水槽になりたかった。

 

大枠だけで中身のないこの水槽に、

人それぞれの好きな物を詰め込んで、

その人専用の水槽になれれば、

どれほど幸せだっただろうか。

みんなにわかってもらわなくていい。

ただその人のための水槽でありたかった。

 

だけど僕は、

水槽であるには少し自我が強すぎた。

毎日眺められることに慣れてしまって、

眺められないことへの耐性をどこかに置いてきてしまったのだ。

管理されない水槽の末路は2つ。

藻が生えて全身緑色に染まるか、

劣化して割れるか。

これだけである。

まだ藻が生えていた方がマシだったな。

僕は水槽を自らの手で割ってしまった。

 

僕のことを棄てるなら早く棄ててほしい。

このままだと自らの手で作った亀裂から水が溢れ出て、

君の部屋を水浸しにしてしまうかもしれない。

僕はそんなことを望んではいないけど、

一度できた亀裂が塞がることはきっと二度とない。

でももし割れてしまった僕に、

存在する価値がまだあるとするならば、

するならば…?

僕には果たして何ができるだろうか。