独り言

本当に独り言です

正直の巻

今までずっと気づいていたし、

それをわかった上で、

気づいていないフリをしようとしていたのに、

結局気づいてしまったというか、

気づかされてしまったというか。

 

自分に対して正直でいることは、

本来簡単であるべきなんだけど、

実際はかなり難しくて。

 

自分に対して正直であるということは、

ある意味自分の人生に対して正直であることで、

過去の体験とか、

今まで積み重ねてきたものの上にある、

今の自分の感情とか欲望とか、

そういったものに真っ直ぐ向き合うことなんだろうけど、

いつの間にか、

社会の荒波に揉まれて、

自分の人生、

自分だけの人生を見失って、

自分の感情とか欲望よりも、

誰が決めたか知らない社会の約束事を優先するようになって、

自分の人生が蝕まれているのに気づけずに、

自分の人生と社会を混同して、

勘違いして、

ずっと下を向きながら、

自分が今どこを歩いているかも知らずに、

同じ場所を、

グルグルグルグル回っている、

そんな気がする。

 

社会集団に属して生きている動物として、

そうなってしまうのは多分当たり前のことで、

社会の構成員のひとりとして、

見えない籠の中で生きていくことが、

社会の中では正しいことなんだろうけど、

社会の構成員という立場から一歩身を引いて、

自分のことを考えた時に、

それって本当に“正しいこと”って言えるのかな。

 

元々自分はもっと自由で、

ひとりじゃなにもできないけど、

ひとりでもなんでもできて、

自分の欲望に従順で、

空っぽの財布を首からかけて、

街角のおもちゃ屋さんで、

ガラスをベタベタ触って、

ショーウィンドウの中のおもちゃを眺めながら、

「あれがほしい」「これがほしい」って、

まるでそう言えば誰かが買ってくれるんじゃないかって、

信じて疑わないような、

そんな子供みたいな生き方もできたはずなのに。

 

結局人はひとりじゃ生きていけないし、

子供は子供のままでいられない。

それは幸せなことでもあるし、

不幸せなことでもある。

人生のタイムラインは不可逆的であって、

一度嘘をつくことを覚えてしまったら、

嘘のない純粋な世界にはもう戻れない。

 

社会に蝕まれてしまう前に、

最後にもう一度だけ、

私は私に正直でありたい。

もっと単純に、

もっと大胆に、

自分の気持ちに、

正直になりたい。