小春日和の巻
寒いと思っていつもより厚着をして家を出たのに、
昼過ぎにはコートを脱いでパーカーも脱いで、
半袖で外を出歩く。
もう今がなんの季節なのかよくわからない。
空は薄い青。
白い校舎に陽の光が当たって、
ちょっと生成り色みたいになっている。
ねぇ、
今日は風がクリーム色だよ。
メンタルは絶賛乱高下中。
突発的に泣きたくなる時も、
無性に楽しくて笑っちゃう時もある。
そんなもんでいっか。
もっと気楽に生きよう。
明日のテスト勉強は、
正直よくわかってない。
頭の中に入る気もしないし、
これは下手したら点取れないな。
今はまあいいかみたいなおちゃらけた気持ちだけど、
明日はきっとひどく落ち込んでいる。
そんなことはわかってるから、
明日慌てて勉強するんだろうな。
温かい緑茶と、
大きな最中を1口。
口の中に広がる小豆の香りが、
小さい幸せを連れてくる。
春うらら。
ポケットサイズの小さな春。