独り言

本当に独り言です

空の旅の巻

羽田に着いたのは朝の8時半過ぎだった。

空は快晴、

飛行機に乗るのにもってこいの空があるかどうかは分からないが、

今日の空はきっとそういう空だろう。

 

何度か来たことがある羽田も、

見るのと乗るのは大違いだ。

ひたすらに聞き取れない英語が流れ続ける空港を楽しむ余裕すら持ち合わせていない。

搭乗手続きと出国手続きを済ませると、

目の前には大きな飛行機の列が見えてくる。

飛行機に乗るのは中学2年生以来。

あまり良い記憶はない。

 

マスクで埋め尽くされた機体は、

離陸用の滑走路へと移動する。

離陸時の浮遊感や重力も、

ジェットコースターと思えば少しは怖くなくなるが、

レールの上を走っていないという意味ではジェットコースターより怖い。

 

窓の下に街が見える。

地上にいると大きく見える街も、

飛行機から見ると全部小さく見える。

むしろ飛行機から見た東京湾は想像より大きく混みあっていて、

こんなに広かったのかと思わされる。

 

こんなに落ち着かない機内で食事をするのは不本意ではあるが、

空腹にはかえられない。

大人しく食事をとる。

メニューが聞き取れなかったが、

こういう時はとりあえずチキンと言っておけばどうにかなるだろう(案の定どうにかなった)。

 

眼下に広がる海は、

人の皮膚のような模様を描いている。

何だか不思議な気分だ。

 

しばらく陸が見えないと思っていたら、

もう数分で台湾に着くらしい。

着陸時に鼓膜がはち切れるかと思ったが、

はち切れてはいなかったのでよしとしよう。

 

こうして私は台湾の地に降り立った。

温かい日差しに包まれた台湾で、

私の冒険(?)が始まる。