布石の巻
片付け週間8日目。
ようやく終わりが見えてきそうだ。
ベッド下の収納の整理が終わり、余ったスペースに元々部屋に置いてあった鞄類をしまう作業も95%くらい完了している。
本棚の中身を入れ替える行程はまだ道半ばだが、そもそも入れ替える本が少ないからきっと問題ないだろう。
昔のテストのプリントも全部廃棄したし、おもちゃはベッド下に押し込んだし、カーペットは掃除機かけたし、部屋全体の整理も8割方終わっている。
セミダブルベッドくらいの広さにまで広がった床を上から眺めて満足した気分になる。
しかし、残りの2割がまだ終わっていない。
そしてその2割とは、私の勉強机なのだ。
今までの掃除の中で見つかった、行き場のないものや、分別方法に迷ったもの、しまう場所が確保できずにとりあえず置きっぱなしになっている小物達が、机の上や中にひしめきあっているのだ。
「掃除をするにはものをどかす空間が必要だが、
ものをどかす空間は掃除をしないと出てこない」
だからこそ、私は今までせかせかと床を掃除し、長年触れてこなかったベッド下の収納まで掃除機をかけ、ランドセルを違う棚に収納し直したりしていたのだ。
これまでの掃除は、これからの掃除を円滑に進めるための布石である。
部屋の中のありとあらゆる収納は、完璧に収納されているとみせかけて全部仮置きでしかない。
全ての収納スペースがカテゴライズされており、今からそれぞれの“適切な場所”に向かって全てのダンボールが移動する。
分配→結合→再分配→再結合
という4段階のプロセスを経て、私の部屋は完璧に綺麗になるのである。
今までの私は、最初の2段階の面倒臭さゆえに、部屋の片付けを放置してきた。
しかし、恐らくあと数日でこの第2段階までが完了する。
そうすれば、あとの第3段階と第4段階の手間はどうってことない。
なにしろ、第2段階までに必要だった必要・不必要の取捨選択の手間がない分、第3・4段階の進行速度は格段に上がるはずなのだ。
私の部屋の掃除も、いよいよ終盤戦に突入する。
そしてそのために、私は今一度机を掃除しなければならない。