雷鳴の巻
目が覚めると、突然の雷雨。
雨が降るとは聞いていたけど、まさかこんなに強く降っているとは。
カーテン越しでも、音で外の天気が伝わってくる。
カーテンが光った。
そしてその刹那、
「ドンガラガッシャーン!!!」
と耳をつんざく音。
びっくりして身震いする。
どうやら近くに雷が落ちたみたいだ。
想像の何倍も大きな音だった。
雷の唸り声は、長く、そして重かった。
呑気に暮らしていれば、すぐにでも喉元を噛みちぎられそうな、怒り狂った音。
こんな音は久しぶりに聞いた。
外に出ないからまだいいけれど、ただでさえコロナで気分は憂鬱なのに、天気まで悪くなったらどうしようもない。
ましてや雷が降って停電なんてした日には、たまったものじゃないだろう。
頼むから今は降らないでくれ。
起きてから暫く携帯を触って、なんとか頭を起こしてリビングに向かうと、雨は止んでいた。
さっきまでそこにいたのに、いったいどこに行ってしまったのだろう。
厚い雲だけを残して、雷雨はどこかに行ってしまった。
私が部屋とリビングを行き来する間に。