栄枯の巻
中高生時代を取り戻したい。
中高生時代に未練がある訳ではないし、大学生活が嫌だという訳でもないが、中高生から大学生になって失ったものがある。
体力と筋力だ。
中学と高校の通算4年と少し、あの部活に明け暮れた日々に獲得した体力と筋力は、大学受験と堕落した大学生活の3年間で、あっという間に消失してしまった。
中高生時代は、動きも俊敏だったし、無尽蔵とは言えども体力はあった。
毎日のように体を動かし、多少の筋肉も備わっていた。
しかし、大学に入って運動とも疎遠になり、体を動かす機会も1ヶ月に1度あればいいくらいのものになってしまった。
当然のように体力はガタ落ち。少し動いただけで息が切れるし、長時間の運動はもはや生死に関わる。
筋肉も衰え、昔はできた筋トレができなくなっていたり、30分キャッチボールをしただけで、上腕や胸筋が筋肉痛になるような体になってしまった。
運動量は減ったのに、食事の量は変わらない。
摂取カロリーより消費カロリーの方が少ないのは、火を見るよりも明らかであり、お腹周りや腕周りに余計な肉がついて、ゴムボールのようになってしまった。
このままではいけないと、いくらか運動してみようと試みる。
しかし、現役の時のようには動けない。
運動しようと思った瞬間は、頭が現役時代に戻っているので、現役時代のトレーニングや動きをするつもりでいるのだが、体はそれに追いつけない。
結果、理想と現実の違いを見せつけられ、予定より早くドクターストップ。
次の日は筋肉痛に苛まれ、運動のモチベーションは続かない。
このままでは、負のスパイラルに陥ってしまう。
中高生の頃の元気な自分を取り戻したい。
しかし、一朝一夕で失った体力と筋力は帰ってこない。
昔の自分を取り戻すためには、まず焦らないこと。
次に、今の自分の力を知ること。
そして、その力にあった筋トレから、ゆっくり始めていくこと。
その3つを忘れないように、改めて自分の体と向き合わなければならない。