ひとり遊びの巻
私は生まれてこの方20年、ずっとひとりっ子だ。
生粋のひとりっ子と言ってもいい(?)。
ひとりっ子にもメリット・デメリットはあるが、このご時世、ひとりっ子でよかったと思うことがある。
ひとりで時間を潰す術を知っていることだ。
小さい頃、父は仕事が忙しく、母も家事が忙しかったため、家にいる時は基本的にひとりで遊んでいた。
平日の放課後や休日に、友達と遊びに行くことはあっても、ひとりでいる時間の方が長かったのは明確だろう。
そんな中、私はどうやって時間を潰していたのか。
ひとり遊びである。
遊び相手がいないことが当たり前だった私は、ひとりで遊びを完結させる術を体得した。
その結果、けん玉やコマ回し、プラレール、折り紙といった、普段ひとりで遊ぶものから、オセロ、将棋、野球盤、デュエルマスターズなどの、本来2人で遊ぶはずの遊びもひとりでこなすようになり、最終的には、8人プレイの人生ゲームをひとりで回していた。そんな子供だった。
ひとりで遊びを完結させるには、必要なものが3つある。
1つ目は、アナログであること。
2つ目は、数を増やすこと。
3つ目は、想像力である。
まず1つ目。ひとり遊びに没頭するためには、自分の裁量で全てを動かせるようにするために、なるべくアナログなものを用意した方がいい。
これがゲーム機だったり、オンライン対戦のものだったりすると、自分の視点だけでしか遊びを味わえないので、すぐ飽きてしまう。
ボードゲームやカードゲームが、一番やりやすいだろう。
そして2つ目。数を増やすというのは、対戦相手を増やしたり、プレイヤーの数を増やすことである。
例えば、カードゲームだったらデッキを複数個作ってみたり、野球盤だったらチームをたくさん作ってリーグ戦を開いてみたり、そうやってなるべく試行回数を増やすのだ。
そうすることで、単純に全部が終わるまでの時間が長くなり、時間を潰せる。
さいごに3つ目。これが一番重要なのだが、2つ目で増やしたプレイヤー毎に、自分とは違う人格を持たせる想像力が必要になる。
これは、自分視点だけで遊んでいると、早く飽きてしまうからであって、これが複数の視点で遊べるようになると、考えることが増え、気持ちの切り替えにもなり、同じ遊びでも何回でも遊べるようになる。
人格を分けているから、お互いに勝ちたいと思ってプレーをするし、互いの手の内が分かっているから、尚更勝つために考えることが増える。
こうやって考えているだけでも、時間は簡単に過ぎてくれる。
以上、3つのことを抑えながら遊べば、時間は嘘のように過ぎてゆく。
インターネットも面白いけど、たまにはおうちで「ひとり遊び」してみてはどうだろう。