長髪の巻
髪の毛が鬱陶しい。
最後に髪を切ったのは、恐らく1月の末か2月の頭くらいなので、もう3ヶ月も髪を伸ばしっぱなしにしている。
前髪はそろそろ鼻の頭に届きそうだし、後ろ髪は首裏を覆い尽くしているし、もみあげは耳たぶを通り越してしまった。
これだけ髪の毛が長いと、視界に髪が入ってくるわ耳に髪が入るわ、洗いにくいわ、乾かしにくいわ、総じて厄介である。
自分の長さですら厄介なのだから、長髪の人なんかはもっと大変なんだろう。
ましてやラプンツェルなんぞ以ての外である。
本当は髪の毛を切りに行きたいけれど、この感じでは外を出歩くのも気が引けるし、ましてや理髪店なんかに行くのは、感染リスクを考えると避けた方が無難だろう。
どうせ人に合わないんだし、自分で前髪くらい切ってみてもいいのかも、と一瞬思ったが、人に見せないとはいえ、自分で切るのは失敗する可能性の方が高い。
そもそも、自分で前髪を切って成功した人をまだ見たことがない。
それほどに、自分で自分の髪を切ることは難しいことなのだろう。
こうして、私の髪はどんどん成長し続けている。
密閉を避けるために、青空理髪店なんてものがあったらいいのだが、街中で髪を切るのは、それはそれで恥ずかしそうだ。