配信ライブの巻
今日は星野源さんのソロデビュー10周年ライブが、ライブ配信の形で行われました。
結論から言うと、めちゃめちゃ良かったです。
プレイヤー一人一人の音が細部まで聞こえるし、顔も鮮明に見えました。
何より一番良かったのは、全員が“最前列”だったことです。
プレイヤーと観客が対峙する普段のライブではなく、プレイヤーの中に観客の視点があって、みんな同じ目線で同じ時間を共有することができた。
そういう点では、今までのライブとは違った良さがあったと思いました。
曲の途中でリロード入って音が止まったり、サーバーアクセスが集中してリアタイできなかった人がいたり、及ばない点は多々あったと思います。
見れない、聞こえない場合はさすがに問題ですが、個人的には、多少のラグだったりリロードは、割と許容範囲内だったんじゃないかなと思いました。
源さんが「画面越しでもいいじゃん!」と仰っていましたが、ライブそのものの空気感みたいなものは、オンラインであっても色あせていませんでした。
ライブDVDを未だに鑑賞したことがないので、そことの比較はできませんが、見る場所は違えど、同じ時間に同じものを共有できたような感覚は、ちゃんとここにありました。
ただ、やはり今までのライブと違う点ももちろんあります。
プレイヤーと同じ会場には居られないし、同じ空間に立つこともできません。
音が広がってくる感覚もありません。照明も同じものではありません。
個人的に一番残念だったのは、自分がライブをただのコンテンツとして消費してしまっていたことです。
今まで、ライブと言えば、頑張ってチケットを当てて、会場に向かう電車の中で胸を躍らせて、物販の列に並びながら財布と相談しつつ買うグッズを吟味し、開場の時間まで街中を歩いて、至る所で同じファンの人を見かけてそれが少し嬉しかったりして、開場してからいつ開演するるのかと胸を高鳴らせ、ライブが始まれば音楽に合わせて手を叩いて踊り、歌い、飛び上がり、ライブが終わっても余韻に浸りながら夜の街を歩き、ライブで演奏されていた曲を聴きながら、電車に揺られているうちにだんだん現実が帰ってくる、そんな時間でした。
だけど、オンラインになって、ライブの「前と後」がカットされたことで、ライブが“非日常の体験”ではなく、“日常の中に存在するコンテンツ”になってしまいました。
ライブが始まる5分前まで夕食をとっていても問題ないし、ライブ中も普通に親の姿は見えます。
ライブが終わっても余韻に浸る時間はありません。
画面から少し目を離せば、そこにはすぐ現実が待っています。
そうなってしまったことで、ライブに行ける「ありがたみ」のようなものが少し薄くなってしまったような実感もありました。
少し寂しかったです。
今後も、当分ライブに行けない時期が続くと思います。
もしかしたら、オンラインでライブをやるのが当たり前の世界になるかもしれません。
でも、そうなった時に、私は今までに行った数々のライブを思い出して、きっとこう思うんです。
「やっぱり、生のライブは良かったなぁ」って。