秋雨の巻
今日1日何をしていたのか、ほとんど思い出せないが、特に何もしていないはずなのでしょうがない。
目を開けた時は8時だったのに、瞬きをすると9時に、もう一度瞬きすると10時に、更にもう一度瞬きすると12時になっていた。
ポケットを叩くとビスケットが1つ、よりもタチが悪い。
幸い今日は午前中授業がなかったので、寝過ごすことはなかったが、貴重な午前中を無駄にした絶望は計り知れない。
外は小雨が降っていて、窓から入ってくる明かりも微々たるものだった。
朝(昼)から気が重い。
大してお腹も減っていないし、昼ごはんはクノールのコーンスープで済ませようかと思ったが、親が帰ってきたのでこの計画は未遂に終わってしまった。
結局、5日ほど前から放置されていた結果、賞味期限が3日過ぎてしまったパンを食べた。
練り込まれたチョコの風味は落ちていなかった。
起きたばかりなのに、疲労が溜まっているように思えた。
かといって、疲労が溜まるような何かをした記憶もない。
昨日の天気も、もう思い出せない。
夜になって、再び雨が降り出した。
家の中から外を見ても、あたりは暗闇ばかりで雨粒は見えなかったが、外に出て手を伸ばすと、手のひらに小さな雨粒が2,3滴落ちてきた。
秋の雨は、もう冷たかった。
カレンダーを見ると、11という数字が目に飛び込んでくる。
1年は長いようで短くて、そして、とても長かった。