独り言

本当に独り言です

使いどころの巻

再三にわたり申し上げているが、私には計画性というものがない。否、正確には計画性が備わっているものの、その使いどころを間違えていると言うべきかもしれない。

 

人には様々な能力が備わっていて、それは私も例外ではないと願いたいが、如何せんその使いどころを見極められないと、その能力は最早ないものと同義になってしまう。かの名探偵エルキュール・ポアロの灰色の脳細胞も、彼の所に数々の難事件が舞い込んでくるからこそその能力を発揮できるのであって、彼がもし完全に事件の発生しない、または発生したとしても直ちに解決してしまうような近未来型サイバーシティーにでも住んでいようものなら、その力は一生日の目を見ることもなく、彼はただの偏屈ジジイに成り下がってしまうかもしれないのだ。

 

私の中の計画性という名の灰色の脳細胞は、せいぜい旅行の計画を立てる時か、目的地までの経路検索をする時か、或いは旅行の目的地までの経路検索をする時にしか使われていない。更に日頃の痴呆症も相まって、日常生活においてこの機能はほとんど使われることはないのであった。そのおかげで、今でも提出日前日になってようやく大学の課題に気づくことが多々ある。

 

今日も、来週に迫った期末試験の勉強と、明日に迫った出席レポートの提出と、ゼミの卒論テーマ候補決めと、提出までに約26時間分の動画視聴が必要(になりそう)な締切2週間前のレポートと、再来月に迫った就活解禁の存在を全て考慮に入れず、今日行かねばもう二度と行けないかもしれないという思い込みだけで、自転車で片道1時間かけてエヴァ旧劇を見に行き、帰りの1時間で見た内容をほとんど忘れるという大ポカをやらかした。これだけで私の計画性のなさと記憶力の弱さを示すには十分なエピソードだろう。

 

私ももっとこの才能の使いどころをきちんと見分けられれば、今頃期末までの提出課題を全て終わらせ、就活の対策を万全に済ませることができたのかもしれない。ましてやそれだけに留まらず、スポーツ選手にも天才的な小説家にもスーパー神絵師にもイケメンにもマッチョにもポケモンマスターにもサードチルドレンにもなれたかもしれない。

だがそんなことは全て絵空事であり、今ここには山積みの課題と読んだのに内容を忘れてしまった本に埋もれて、金魚のように口をパクパクさせて今にも圧死しそうな私がいる。

もしかしたら、私の脳細胞が灰色なのは単に血が巡っていないだけなのかもしれない。