独り言

本当に独り言です

夏の日の巻

夏の日の午後、自転車で川辺を走っていると、地域のクラブチームだろうか、野球やサッカーの練習をしている少年たち(と数名の大人)を見かけた。

 

恐らく小学生から中学生くらいの子供だろう。

彼らは、その健全な、そしてある意味不気味な程にある、生命力を出し惜しみすることなく、エメラルドグリーンの中を一目散に駆けていく。

こんな光景は、久々に見たような気がした。

 

私も年齢的には大人になって、いつの間にか純粋に走るという行為を放棄してしまっていた。

私が一生懸命走るのは、もはやバイトに遅刻しそうな時と待ち合わせに遅刻しそうな時くらいである。あの子らのように、ボールを追いかけて走ることや、何かから逃げるように走り出すことは、既に非日常的な行為になってしまっていて、日常にはない。私の生活に「走る」という行為は組み込まれていないのである。

 

そう考えると、自分の老いを感じる一方で、私もまだあの頃に戻れるのではないかという、淡い期待が心のどこかにあることに気づく。

老いたと言ったって、まだ齢21の大学生である。同い年の人達が、スポーツ界では全盛期と称されるような年代だ。きっと時間さえかければ、まだ戻れるはずだ。

 

私も、あの子らのようになりたいと思った。

膝や足首の怪我、アキレス腱の損傷、その他諸々を気にせずに、走りたいと思った瞬間に走り出し、飛びたいと思った瞬間に飛べる。そんな人間にもう一度なりたい。

そして私も、あのエメラルドグリーンの中を、自由に駆けていきたい。そんな風に思わせる、光り輝く夏の日がそこにあった。

 

今日の1曲

Sasanomaly(ササノマリイ) 『空と虚』MV アニメ「ヴァニタスの手記」オープニングテーマ - YouTube