交信の巻
窓を開けるとすぐそこに、友人の家の窓が見える。
タッチの2人(3人と言うべきかもしれない)程の距離ではないが、限りなく近くに友人宅がある。
声が届くような距離ではないが、スマホのライトをつけて振ると互いに交信することができる。
なんだかロミオとジュリエットみたいな気分だ。意中の相手でなくても、ベランダから出てきて互いに交信できるというのは趣がある。
外は強い風が吹いている。雨も少しぱらつきはじめている。声は届かない。
それでも、僕らは繋がっている。こんな小さなことが、少し嬉しかったりする。