どんよりの巻
今日が日曜日であることに、人混みを見て気づいた。
夕方、日も落ちようかという頃、近所のホームセンターに出かけることにした。
大した理由はなかったが、ずっと家にいても気持ちが収まらないので、気分転換を兼ねて欲しい電化製品でも眺めに行くつもりだった。
自転車を走らせて数十分。
ホームセンターに着くと、そこには溢れんばかりの親子連れがいた。
緊急事態宣言解除後初めての週末だったことも影響していたのかもしれない。エスカレーターに乗るのにちょっとした行列ができるくらい、ホームセンターは混んでいた。
もう曜日感覚というものもどこかに忘れてきていた私にとって、その人混みはある意味新鮮なものであった。
今日が日曜日であったことにも驚いたが、日曜日の午後というのはこれ程の人混みを生み出すのか、とも思った。
その光景は、2年前に見たものとほとんど同じであっただろう。誰もがマスクをしているということを除いては。
結局目当てのものはなくて、私はすぐに家に引き返すこととなった。
疲労感とは別の、生暖かい何かが私を覆っていた。