コミックスの巻
今日、人生で初めて、自分の金で漫画を買った。
買ったのは、名探偵コナンの100巻と、週刊少年サンデーの47号。
普段は一切漫画など買わない(読まない)が、記念すべき100巻の発売である。
せっかくリアルタイムで同じ時を過ごしているのだから、こういう時くらい買ってもいいんじゃないかと思い、昨日の夜中に思い立って今日の朝イチで買いに行った。
近所の本屋で平積みされている漫画を手に取り、レジに並ぶ。
サンデーの、この分厚さに対して心もとなさというか、ギリギリまで1ページを薄くしている感に不安を覚え、それと同時に小学生の頃の記憶が蘇ってきた。
私の漫画雑誌の記憶は、小学生時代に学童に寄贈されていた、コロコロコミックで止まっている。
みんなに読まれすぎてボロボロになり、所々ガムテープで補強されていたコロコロコミック。
毎日学童が始まるとほぼ同時に、本棚の前で小競り合いをしていたあの頃が、ふと思い出された。
会計をして、店を出る。
外は雲ひとつない青空が高く広がっていて、風が少し冷たいけれど、とても心地のいい天気だった。
家に向けて歩みを進める。
小脇に抱えた少年サンデーと名探偵コナンの100巻。
真新しい顔した2人が、こちらを見つめている。
段々歩くペースが速くなる。
そして、風をきって、空の青を置いていくように走り出した。
街の緑が、空を舞う鳥が、段々視界から外れていく。
こんなに家に帰るのが待ち遠しいのは、久しぶりだった。
気がつくと、私は大通りの交差点を全力で駆けていた。