金木犀の巻

僕は金木犀を知らない。

せっかく知らないのだから、敢えて知らないままで金木犀について書いてみようと思う。

金木犀は、どうやら秋の風物詩らしい。

金という文字がついているのだから、恐らく黄色なんだろう。

金木犀が植物らしいということはさすがに知っている。

金木犀の花というフレーズがなんとなくしっくりくるから、恐らく花を咲かせる植物である。

金木犀は、秋に黄色い花を咲かせる植物である。

金木犀は、どうやら香りがいいらしい。

香水とか芳香剤にも使われていると聞いたことがある。

いい香りというと、どんな香りなんだろう。

秋に咲く花だから、バニラみたいにあんまり甘ったるい感じだったら、ちょっと嫌かもしれない。

それなら、少し哀愁が漂うような、さっぱりして少し苦味のある香りの方がまだいい。

ただし、そんな香りのする香水を、みんながこぞって使うとも思えない。

甘ったるい香りでないとすれば、軽めの爽やかな香りかもしれない。

うん、これなら割としっくりくる気がする。

金木犀は、秋に黄色い花を咲かせる、軽めの爽やかな香りがする植物である。

金木犀の背丈はどれくらいなのだろうか。

腰を下ろしてちょうどいい高さにあるのか、はたまた大きな木なのかはわからない。

なんとなく大きいと嫌だから、地面の近くに生えている小さな植物ということにしておこう。

日常でそこまで意識するほど香りが漂っていないことを考えると、すすきみたいな背丈はないはずだ。

金木犀は、秋に黄色い花を咲かせて、軽めの爽やかな香りを持つ、とても小さな植物である。

金木犀は群生するのだろうか。

一輪だけ凛と咲いているのも美しそうだが、土の上に集まって風に揺らいでいるのも趣がある。

香りが特徴的だということを考えると、一輪でめちゃめちゃ香るよりも、群生することでほのかに香りが漂う方がしっくりくる。

金木犀は、秋に黄色い花を咲かせて、軽めの爽やかな香りを持つ、群生する小さな植物である。

目の前に、金木犀が見えてきた。

いつか、答え合わせをしに行こう。

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