2019-10-08 夜雨の巻 雨に濡れた街は、 日頃の勢いを失ったようだ。 深夜1時を回った、 灯りの少ない住宅街を歩く。 24時間営業のコンビニの看板と、 得体の知れないビルのネオンサインの光だけが、 路面に落ちる。 雨音の刻むビートに乗って、 家を目指せば、 暗い夜道がダンスフロアに変わる。 誰も通らない片側一車線道路に、 湿った足音が響く。