怯えの巻
もうすっかり外は冬の空気になってしまった。
都心の灯りがいつもより粒立って見える。
駆け込み乗車してきた冬にそそのかされて、つい掛け布団を1枚多めに出してしまった。
こういうのは、大抵朝起きた時に足元でぐちゃぐちゃになっているのがオチである。
そろそろ本当に冬支度を始めなければいけないのかもしれない。
タンスの中には、まだ長ズボンがほとんどない。
早くしないとあっという間に秋が深まって、紅葉の季節が来て、コートを着るようになってしまう。
時間が経つのは、思っている3倍早い。
今やらないと置いていかれそうだ。
まだ夏かもしれないという誤魔化しが、いよいよ出来なくなりつつある。
なんだか少し寂しい気もしている。