独り言

本当に独り言です

故郷の巻

東京に帰ってきた。

父親が転勤族だった影響で、

生まれてから東京に来るまでに色々な所に住んだ。

一応出生地は愛知県なのだが、

出身はどこかと聞かれると、

愛知の記憶は一切ないので、

愛知県とは答えにくい。

1番記憶があって、

1番長く住んでいるのが東京だから、

とりあえず東京ということにしているが、

これはこれで嘘をついている気がしてならない。

はて、

困ったものだ。

 

東京という街に慣れすぎて、

色々な所に行っても、

結局東京が1番なのかもしれないと思うようになった。

昔は(昔と言ってもまだ20年しか生きていないのでたかが知れているが)、

都会は空気が汚いから田舎に住みたいとか言っていた。

実際空気は汚いと感じることもあるし、

他所から帰ってくると気持ち悪くなることもある。

ただ、

地方に出てみると、

東京で出来たことができないってことが多々あって、

その便利さに慣れてしまった私は、

東京って楽だなって思ってしまう。

 

ある意味、

東京に住むという選択肢は、

堕落の成れの果てなのかもしれない。

痒いところに手が届くというか、

何もかもがすぐそばにあるから、

人は楽ができる。

不便という単語が極力排除された街、東京。

その蜜の味を知ってしまうと、

簡単に元には戻れない。

 

余程そこが好きではない限り、

人は楽な方へ楽な方へと流されていく。

結局そんな感じがしている。

 

私にとって地方は、

たまに行くから魅力を感じられる、

一種のテーマパークのようなものになってしまった。

きっとそういう人が多いから、

こんなに東京に人が集中しちゃってるんじゃないかな。