感動の巻
感動することが減った。
特に変化のない日常で、書き残すことは限られているし、かと言って何か考えたことや思いついたことを書こうと思っても、そもそもアウトプットするほどインプットができている訳でもない。
僕はどちらかと言うともっと自然の移り変わりとか偶発的な出来事に心が揺さぶられるのであって、ひとりで、なおかつ仕切られた小さな空間にいると、そういうものに出会う機会が専ら減ってしまうもんだから、大して当たり障りのない、小学校でいやいや書かされた読書感想文のような文章をこしらえてしまうのだ。
例えば、仕方がないから最近のことを話すけれども、夏が近づいてきて、段々日の落ちる場所が北よりになっていることを、皆さんはご存知だろうか?
あと、今の月の形は心得ているだろうか?
今は上弦の月の頃だから、夜の10時だか11時だかに西の空を見上げると、それほど高くないところに月がある。
日々の移ろいだったり、なんとなくハッと気づくようなことだったり、全く予想だにしていなかったことだったり、そういうことが減ってしまったせいで、感動することが減ってしまった。
インターネットの世界で外の世界や他人と繋がっている気分を味わうことはできるが、それは全て“私によって選択された世界”であって、その中に偶発的なものはほとんどない。
全てのものが“意図的に”自分と関わってくる世界は、少しつまらない。
もっと外に出て、歩き回って、色んなものを見て聞いて、感じて。
そういう生活が、したいな。