見える化の巻
3月に入った瞬間に3月の予定が8割消えた。
無理もない。
たった数ミリ(ミリというのは十分大きすぎる単位だろうが)の未知なるウイルスに、
国中、いや世界中が振り回されている。
恐ろしい。
人は視覚情報が8割と言うが、
人間は見えるというものに関しての信頼度がとても高い気がする。
だからこそ見えないものに怯えるし、
見えるものを好む。
テレビとか写真とかが好まれるのも、
そういった理由があるんじゃないかと思う。
なんでもかんでも見えるようにするのは時に残酷である。
例えば自分の体重なんていいものだ。
別に見た目が太っていなければ体重なんて気にせずに済むのに、
数値として見えるようになった途端不安になる。
太り過ぎたんじゃないかとか、
よくよく見たらお腹が出てきているかもとか、
そういう余計なことを気にするようになる。
ウイルスだって見えてしまうから怖いのであって、
きっとウイルスが見えなかったらほとんどただの風邪として処理されるだろう。
見えないものを見ようとして、
見えるものに踊らされている。
哀れだなぁ。