独り言

本当に独り言です

しりすぼみの巻

日が傾き始めた午後4時、私は散歩に出かける決意を固めた。

 

夜更かしからの昼起床によって荒れ狂っている生活リズムが生み出した灰色の絶望感と青紫色の閉塞感は、我が小城をたちどころに包み込んでしまった。

世間は成人式だなんだと様々な意味で盛り上がりを見せているが、私はそのような華やかな場とは無縁な人間であって、なんなら昨年の成人の日すら、まさに今日と同じようなことしかしていない。もはや思い出すに値しないような日々を過ごしている。

 

そんな中、TwitterInstagramという名をつけられた虚空を眺めていると、ふと道端でメジロの雛が落ちていたというツイートを見かけた。犬も歩けば棒に当たる、人も歩けばメジロに当たるのである。

そこで私は、我が町にもメジロの雛が落ちていないか探してみようという名目のもと、このおぞましい空気に包まれた小城からの戦略的撤退を企てた。ヒートテックの長袖超極暖という最強の盾を手に入れた私にとって、真冬並みの寒波という矛はもはや敵ではなく、この企てはすぐさま実行に移されたのである。

 

4時に家を出た私は、タイムリミットの5時に間に合わせるべく、近場の親水公園や川のあたりをくまなく捜索した。

しかし、結局収穫はなし。出会えたのはメジロではなく、ずっとこの辺にいるカモの群れと、近所に住み着いている白い野良猫と、これまたこの辺に住み着いている大きな鳥と、恐らくだいぶ前に絶命し誰にも気づかれず放置されていたであろう、干からびた蟹の死骸であった。

 

肩を落として鬱屈な雰囲気の小城に帰ると、その空気はさらに重くなって、どうしようもなくなってしまった。

明日は都心でも雪が降ると言う。諸悪の根源である半狂乱の体内時計を正すべく、明日の朝の雪化粧を楽しみに、今日は早めに寝るとしよう。