独り言

本当に独り言です

書店の棚の巻

目が覚めて、文章にも、音楽にも、オレンジ色に輝く水面にも心がときめかなかったので、家を出ることにした。

ときめきと言えば、片づけの本を出しているこんまりさんが思い浮かぶけれど、こんまりさんはもし人生にときめかなかったら、その人生を捨てるのだろうか、なんてことを考えていたら、あっという間に近所のブックオフに着いた。

 

ハードカバーの自己啓発本が並ぶ棚に圧倒されながら、私は就活も本屋も、案外似ているかもな、と思っていた。

 

本棚に並ぶのは、本の形をした日本中の数多ある会社である。言わずと知れた有名な本もあれば、全く知らない本もある。その本屋にはないけれど、Amazonで調べたら買える本なんてものもたくさんある。

その中からどの本を選ぶかは、それぞれの客に委ねられている。別にどの本を選んでもいい。自分の趣味嗜好に合わせてもよし、将来の自分のためになる本を選んでもよし。もしかしたら、希少価値が高いからという理由で、転売を前提に本を選ぶ人もいるかもしれない。

 

そんなこんなで各々本を選ぶ。

あとは、その本を買える程の対価を示せるかどうかが問題だ。

 

本来、我々が本を買うにはお金が必要である。

そしてそのお金は、就職活動においては、やる気であったり、熱意であったり、スペックだったり、あるいは労働を提供する時間だったりする。

あとは、その本に対する適正みたいなものも見られるが、それはお金とはまた違った概念だと思うので、そこには含めないことにしよう。

 

本を選ぶのは簡単だ。

だけど、実際にその本にお金を出したいと思えるかは、また話が変わってくる。その本を本当に買いたいのか、どのくらいのお金なら出してもいいと思うのか、そこに迷いが生じる。

無論、いくらでも金があれば話は別だ。選んだ本を全て買ってしまえばいい。

しかし、実際は手持ちに限度がある。もちろん、その中で買える本も限られてくる。複数の本を買える人もいれば、1冊しか本を買えない人もいる。

そういった中で、果たして君は、そして私は、どの本を選ぶのだろうか。

 

今日、私は220円を握りしめてブックオフに行った。

そして、結局何も買わずに帰ってきてしまった。

 

今日の1曲

平井 堅 『ノンフィクション』MUSIC VIDEO (Short Ver.) - YouTube