ズレの巻
ここ数日、自分がここにいないような気がしてならない。
自分が乖離するような事件があった訳ではない。しかし、逆に言えばだからこそ乖離してしまったのかもしれないと思う。
肉体としての自分を自分A、乖離してしまった自分を自分Bとしよう。
自分Bは自分Aと乖離しているが、かといってどこか遠くに行ってしまっている訳ではない。
自分Bだけで別府の地獄めぐりに行っていたり、北海道の牧場に行っていたりすれば、それはそれで楽しいのかもしれないが、それほど大きなズレではない。
私の感じている自分Aと自分Bのズレというのは、RPGで稀に発生するバグくらいのものである。
具体的に表すとすると、自分Aの右半身と自分Bの左半身が重なっている、くらいの距離感だ。
こう言うと大したズレではないと思うかもしれない。
たった半身程のズレであれば気力で直せそうだし、最悪無視したって生活に支障はないとすら思える。
でも、それは普段の生活とは異なる感覚を生んでいる。明らかに普段とは違うが、かといって明確な対処法はないし、なんとなくで済まされてしまうようなものであり、こういうものの方が厄介なこともある。
現実世界で行動するにせよ、何かやろうと思う度に自分Aと自分Bの擦り合わせを行わなければいけない。
自分Aと自分Bの振り幅が最大限重なるタイミングで、正確に決定ボタンを押さないと、発動条件は満たされない。かといって、それがいつ来るのかもわからない。
この小さなズレのおかげで、私は最近なんとなく疲れる日々を送っている。
誰か早くバグ修正してくれないかな。