独り言

本当に独り言です

広告の巻

オリンピックを見る時、私はほとんどNHKEテレかBSNHKで競技を見ている。

理由は単純。広告がないからだ。

 

世間で「サブスクリプション」という言葉が騒がれ始めてしばらく経つが、考えてみればNHKはだいぶ前からサブスクのようなことをやっていたわけだ。ほとんど全世帯登録必須の月額制サービスで、退会不可能なこととリアルタイム視聴のみ(録画を除く)ということを除けば、どこにでもありふれたサブスクと同じようなものである。

 

NHKでオリンピックを見れば、途中でいちいち広告が挟まることはない。放送時間の都合で、競技途中で映像が切り替わることはあるし、あまり興味のないパネリストのトークセッションにイライラすることもあるが、CMに競技映像を遮られたり、何度も同じCMを見たりすることはない。そういう意味では、民放を見るよりは幾分いいのかもしれない。(あと、試合を録画する時に広告が入らなくて嬉しいというのもある。)

 

別にテレビ広告に対して恨みがある訳ではないが、何度も同じCMを見せられると、こちらも段々疲弊してくる。まぁ同じCMを何度も見るということは、それだけ私がオリンピックを見ているということになるのだが、オリンピックを見れば見るほどCMが鬱陶しくなってくるのも事実だ。もはや広告の接触回数の増加による私の好意度はカンストしており、いまや私の中の広告に対する好意度は減少傾向にある。

 

あと、今大会中、個人的には1回だけテレビCMにムカついたことがあった。

それは、卓球混合ダブルス決勝で、絶対王者中国のペアをフルセットで破り、日本のペアが優勝した直後のことであった。

長年苦しめられてきた中国の牙城をついに崩した、その喜びを噛み締めながらテレビを見ていた私の前で、会場の映像から画面が切り替わり、突然綾瀬はるかが出てきたのである。

コカ・コーラのCMだった。

明らかに前撮りされたその広告は、それっぽい言葉を並べたあとで、携帯の画面をグラスに見立てて、一緒にコーラで乾杯しようと謳った。そして、1分近くかけて乾杯をした後に、映像が再び会場の映像に戻ったのであった。

 

テレビという媒体の都合や、「感動を共有する」という意味でのコカ・コーラブランディングの都合があるのはよくわかる。別に誰も悪くない。

だけど、私はこの広告に少し腹がたった。

その理由はただ1つ。リアルタイムと広告の間の温度差がありすぎたからである。私の目には、リアルタイムで起こった熱狂の前に、広告がまるで冷やかしのように映った。それがただただ嫌だったのだ。これが例えば、放送局のスタジオに映像が戻って、そこにいるキャスターや解説者の人達が手元にコカ・コーラを持って「一緒に乾杯しましょう!」と言うのであれば、また話は変わってくる。

 

そんなこんなで、私はオリンピックをほとんどNHKで見ている。

そして、こういうことを考えながらオリンピックを見ているからか、YouTube Premiumもこんな感じなのかな、という気持ちになるのであった。

 

今日の1曲

RUNG HYANG x claquepot x 向井太一『So Good』(Official Music Video) - YouTube