錯覚の巻
いつから風呂を出たら22時を過ぎているものだと錯覚していた…?
実家で暮らしていると、自分以外の生活リズムに合わせることがある。
そのひとつが風呂だ。我が家は風呂に入る順番がなんとなく決まっており、私は大体いつも父親の後に風呂に入っている。
学生で暇を持て余している私と違って、父親は社会に出て働いている。
そしてそのためか、父親の生活リズムはかなり一定である。なんならコロナで飲み会がなくなったことで、その正確さはどんどん増していた。
そんな父親に合わせて風呂に入ると、大抵出た頃には22時を回っている。そして、そこから私は歯を磨いて、YouTubeを見て、ブログを書いて寝るのがルーティンになっていた。
今日、いつも通り父親が風呂から上がったのを確認して、私は風呂に入った。
そのままいつも通り体を洗い、湯船に浸かり、体を拭いて風呂に出た。
風呂を出た私は、なんとなく時計を確認した。そうしたら、なんと時計が21時前を指していたのである。
これには私もたいそう驚いた。
何せ、普段通りに過ごしたと思っていたら、いつもより1時間も早く事が進んでいるのである。
これはもう時計が壊れていたか、はたまた風呂で過去にタイムスリップしたとした考えられない。
こうして、私はいつもより余計に1時間長く時間を手に入れた。
長い長い夜の始まりであった。