異常の巻
辛いものを食べると、腹を下す。
そう思っていた。
辛いものを食べた後に腹を下すようになったのは、高校生の時だった。
辛いまぜそばを食べて、30分後に新宿のパルコで悶え苦しんだことに始まり、何かにつけて辛いものを食べると、決まって腹を下していた。
家でも麻婆豆腐や坦々麺を食べると、すぐにトイレに駆け込む始末であった。
しかし、今日は違った。
四川料理のお店で、それなりに辛い料理をたらふく食べた。普段ならトイレから動けなくなってもおかしくないくらいの辛さだった。
しかし、待てど暮らせど腹が痛くならない。
いつもなら腹が警報をグルグル鳴らして、腹下しへの準備が始まるのだが、今日は一向にそれがない。
食事を終えて4時間以上が経とうとしている今も全く異常がなく、むしろこの状態が異常なくらい、平穏な時を過ごしている。
こうなると、辛いもののせいで腹を下していたと思っていたのに、それ以外の要因があったことになる。
果たして、何が私の腹を下させていたのか?
なぜ、今日は平気だったのか?
謎は深まるばかりだ。