書写の巻
習い事先の書道教室が、新型コロナウイルスのせいでお休みになってしまったので、自宅で書道をやることになった。
家で書道の道具を出したのは何年ぶりだろうか。
記憶が定かでないが、いつぞやの年賀状を書いた時か、はたまた中学の書き初めか。
少なくとも、大学に入ってからは1度も出したことがないはずだ。
いつもと違う環境に手元が狂う。
ローテーブルに正座して書いているのと違って、普通のテーブルで椅子に座って書くもんだから、どうも高さが合わない。
墨を机に飛ばすと怒られるから、筆使いや墨の扱いもいつもより丁重にしなければならない。
親の前で書を書くのも久しぶりだし、なんだか変な感じがする。
筆を持つ指にも、いつもより力が入っている気がする。
お手本を見ながら半紙に清書していく。
いつものお稽古の時と書いている枚数はさほど変わらないはずなのに、お稽古の時より進みが遅い。
お手本を注意して見ているからだろうか。
一向にお手本通りに書けるようになっていない気がする。
墨と向き合うこと2時間半、ようやく課題が完成する。
手のひらに疲れがどっと押し寄せてくる感覚。
親指のつけ根が少し痺れている。
やっぱりいつもより力が入っていたんだ。
自宅で書道月間。
筆の課題はまだ2つある。