全盛期の巻
ようやく気持ちが帰ってきました。
ここ2日、本当にダメなんじゃないかと思いながら過ごしてきましたが、こういうのは意外とどうにかなるものです。
特に何かを改善した訳でもなく、いつも通り早起きして、本を読んで、オンラインでサークル活動に勤しみ、プログラミングをやる、そういう普通の日常を送っただけで、すっかり元通りになりました。
気分とは恐ろしいものです。
少し暑さは残るものの、風が冷たく感じられるようになり、少しずつ秋が近づいてきているように思います。
今日は1日、部屋の窓とドアを全開にして過ごしました。
カーテンが風にたなびく姿を久しぶりに見た気がします。
窓から訪ねてくる風は穏やかで、部屋の中を一回りして、そっとドアから外に逃げていきます。
来る者は拒まず、去る者は追わず。
ちょうどいい距離感を保って、風が抜けていきます。
夏の最後に迷い込んだセミが、ベランダでもがいて死んでいきました。
当の本人も、まさかこんなところで最期を迎えるとは思ってもみなかったでしょう。
私はこのベランダで死に行くセミを、哀れだと思うと同時に、少し羨ましくも思います。
およそ1ヶ月という短い時間で、セミの成虫としての生涯は終わりを迎えます。
そんなちょっとの間しか生きられないのは少し残念ですが、言い換えればその1ヶ月はセミの成虫にとっては全てが全盛期かもしれません。
人間は現在、平均的に80年以上生きるとされていますが、その間全てが全盛期ではありません。
生物としては未熟な状態で生まれ、段々と成長して全盛期に到達し、その後はゆっくりと進む老いに抗うことになります。
それが昔は40くらいで潰えたものの、現在はその倍になっているのです。
幾許か長すぎるような気もしませんか。
そう考えると、たった1ヶ月ではありますが、全盛期を全うして死ぬことができるセミにも、多少の思い入れの余地があります。
長く生きたいと思うことも本望ですが、適当なところで死にたいと思うことも、また本望かもしれません。
少なくとも私は、人様のベランダでもがき苦しんで死にたくはありませんが、こうして生を全うした存在には、少し肩入れをしてしまいます。
今日が穏やかな1日でよかった。
ご愁傷さまでした。
[今日のプログラミング勉強時間] 2時間
[累計] 95時間