創作の巻
苦しくて美しい話が書きたい。
追い込まれて追い込まれて苦しくて辛くて、どん底まで突き落とされて、朝の来ない夜が永遠に続くんだけど、そんな時に夜空に輝く星を見つけて少しだけ救われたような感覚になって、本当に朝が来るのかは誰にも分からないけれど、その運命をも受け入れて生きるみたいな、そんな話が書きたい。
話は自分の中からしか出てこないから、苦しい話を書くなら自分の中の苦しみを取り出さなきゃいけない。
その作業はかなり辛いから逃げ出したくなるだろうし、自分の苦しみの量や質に影響されるからその分苦しみを味わわなければいけないかもしれない。
自分の中の苦しみを醸成して、それを作品として排出する。すごい労力と覚悟と信念が必要な作業だ。
それに、苦しい話を書くとしても、苦しみだけじゃ人には読んでもらえない。
苦しい部分を陰とすれば、人を惹きつける陽の部分が必要だ。
自分の中の陰を抽出して、それを陽と合成してひとつにする。陽があるから陰が映えるし、陰だけの世界は存在し得ない。
僕にとっての陰はなんだろう?
みんなにとっての陽はなんだろう?
もっと突き詰めて、自分を追い込んで考えなきゃいけない。